義足セミナー2本立て!

 

こんにちは!西日本の大雨の被害が予想以上で驚いています。

毎年・毎シーズン天災のニュースは聞きますが、近年本当に多いですよね…

被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。一日も早い日常が訪れますように。。。

 

 

 

さて、今回は昨今テレビやメディアでも見聞きすることが多くなった メカトロニクス にまつわる記事を書いてみました。

今や耳に馴染んだ感のある『AI』や『3Dプリンター』を使った商品は、徐々に義肢装具の世界にも浸透しつつあります。

動画サイトなどでは3Dプリンターによって製作された義足のソケットやカバー・義足・義手などを目にすることが多くなってきました。また ottobock では、スマートフォンアプリで調節可能な膝継手や足部といった高機能の製品を使用されているユーザーが数多くいらっしゃる時代です。

 

6月は、その注目度やニーズの高さから開催された義足パーツのセミナーに社員と参加してきました。

 

 


 

 

6月24日(日)に行われたオットーボックセミナー2018では、コンピューター制御膝継手(Kenebo・C-Leg・Genium・GemiumX3・Meridium)の『義足メカトロニック時代を掴む』と題し、コンピューター制御膝継手の紹介説明、臨床報告や実際にMeridium(足部)の体験など盛りだくさんな内容で、充実した時間を過ごさせて頂きました。

 

いまやOttobock を代表する C-Leg は4世代目になり、1997年の誕生から早20年が経ちました。世代と共にバージョンアップされ、2016年4月には完成用部品に掲載。国内でも多くのユーザーに愛される膝継手となっています。

以下はセミナーを受講した社員の感想です↓

 

 ****************

 

 

6/24のセミナーでは ottobock社 の最新電子制御製品についての説明と、他社での使用経験・臨床発表が行われました。

C-Leg が完成用部品に認可され年々 C-Legユーザー が増加している中、ottobock社 による支給状況で「やはり労災による支給が断然多いが、地域によっては福祉による支給割合が多いところもある」という報告が印象深く残っています。臨床発表を行った他社による支給に関しての取り組みも聞くことができ、大変参考になりました。

 

S義肢ではH県立リハビリテーションセンターとの連携が強く、歩行訓練を行うために再入院して義足の検討を行うそうで、様々な膝継手を試しユーザーの切断以外の身体状況や生活環境を踏まえた上で C-Leg を必要とする客観的なデータを作っていくとのことでした。そのためにPTがユーザーの職場の確認をするなど協力体制が整っており、最終的に意見書を書く医師が C-Leg を必要と認める判断材料を多く準備するよう取り組んでいるそうです。

M義肢も同様で、現在ユーザーが抱える問題とそれに対する C-Leg の必要性を重要視しています。これは C-Leg 以外にも言える事ですが、様々な膝継手のデモ(試着)を行い他の膝継手では補えない機能を明確にすることで、目的の膝継手の必要性を高めることができます。

 

当社のおいても判定前に様々なパーツのデモを行い歩容の確認や撮影などの判断材料を用意しますが、現状では他県・他社のように高額な高機能パーツの支給決定が通ることは難しいと思っています。しかし今回の臨床発表を通して『労災だから』『便利だから』試すのではなく、ユーザーへの必要性の追求とそこに携わる義肢装具士としての責任を改めて考える機会となりました。

 

↓ ottobock社 コンピューター制御膝継手はこちら ↓

https://www.ottobock.co.jp/prosthetic_le/joint/mpk/

 

 

 

また、新製品として紹介されていたMeridium(足部)の使用経験報告・体験では、模擬下腿義足を使用して歩行体験をしてきました。足部の角度がリアルタイムに反応・変化することが特徴で慣れるまでは不安定さを感じましたが、悪路への順応は大変良く、段差や斜面においても立位バランスが崩れないという特徴は従来の足部との大きな違いでした。

個人的に気になったことですが、エネルギー蓄積型足部と違い蹴りだしの弱さを感じたため推進力は得にくいのではないか?と思いました。現時点ではパーツの大きさや重さの問題もありますが、今後が楽しみな製品です。

 

↓ ottobock社 コンピューター制御足部 Meridium ↓

https://www.ottobock.co.jp/prosthetic_le/joint/mpf/meridium/

 

セミナー報告:桑原

 

 


 

 

そして6月24日(日)はもう一つ、興味のあった膝継手 “VGK(Very Good Knee)”について(株)啓愛義肢材料販売所 のセミナーに参加してまいりました!

 

 

上記では コンピューター制御膝継手 の紹介をさせて頂きましたが、VGKは 電子油圧制御並みのパフォーマンスを発揮する 単軸油圧膝継手 です。

OrthoMobility社ジェイコブ ボンダー氏 による機能説明と臨床映像などを基に、非電子制御のメカニズムまで細部にわたる説明がありました。

 

レバー1つで、①イールディング ②ロック ③サイクリング 3モードの切替が可能 です!

なんてシンプルで楽チン!!

イギリス生まれの膝継手で、名前の由来は 装着された方々が口々に “いい膝だ!” と言っていたからと、これまたシンプル!!!いいですね~~♪♪♪

 

 

また VGK と並んで紹介のあった “VGK-S” には、とても関心を持ちました!!

股離断、大腿切断の短断端の方におススメ というこちら、断端下に油圧シリンダーを付け継手の主要部品を膝上にまとめることで、荷重や振出しにも変化が大きく『義足自体の重さを感じにくくさせる』という点が非常に興味深かったです。

価格もコンピューター制御膝継手に比べたら安価でしたwww

 

VGK

VGK-S



 

 

今回同日開催だったため otttobock 様・啓愛義肢 様 の両セミナーへ、当社の装具士と共に参加させていただきました。

当日お世話になった 両社関係者の皆さま、ご対応いただきありがとうございました!

 

やっぱり新しい技術に触れるとワクワクしますね…7月21日からの学会展示ブースが楽しみです!!

 

 

齋藤 英市

 

 

0 コメント